花屋で働きはじめて3年。やはり一年を通してよく売れるのは、バラ、ユリ、チューリップなどのポピュラーなお花です。なかでも、すこし高価ですが長持ちしやすく、種類によっては部屋中にひろがる香りも楽しめるユリはわたしのお気に入り!手入れが面倒ですが、店での寿命も長い優秀なお花です。
では、ユリを長持ちさせる、正しい手入れの仕方は?このページでは、ユリの切り花を長持ちさせるコツを紹介します。
目次
ユリの切り花を長持ちさせるコツは?
ユリはほかの花以上に、ていねいな手入れと温度管理によって、花の咲くタイミングと持ち具合の変わってくる花だと思っています。
まだ固いつぼみのままのユリを、都合に合わせて早く咲かせたい場合のコツについてはこちらで紹介していますが、このページではとにかく長く楽しみたい場合の手入れ方法をまとめてみました。
ユリの切り花の寿命
ユリは切り花にしても日持ちのいい植物です。購入時の状態にもよりますが、つぼみが固くて小さなものを買った場合、夏の暑い時期でも、さいごのつぼみが咲き終わるまで2週間くらい花を楽しむことができます。
ユリのある生活を長く楽しみたいようでしたら、なるべくつぼみが固くて青いものを選ぶべきですが、そういうユリは、状態や季節によっては1週間してようやく花が咲く、なんてこともあるので、「近々お客さんがくるから、それに合わせて咲いて欲しい!」という場合には注意が必要です。
こればっかりは自宅でのお花の環境に左右されるので一概にはいえませんが、花屋さんで聞いてみると、どれくらいで咲き始めて、どれくらい長持ちするかの目安を教えてくれるはずです。
ユリの切り花の花粉はどうする?
ユリは目で分かりやすい雄しべと雌しべがドーンと中心に生えていて、雄しべには花粉がくっついています。受粉してしまうと枯れるまでの速度が早まってしまうので、花が開いてきたら早めに指でつまんで取り除いてしまいましょう。
花粉は花びらに落ちると見た目がきたなくなってしまうし、テーブルクロスやカーペットに付くと、洗ってもなかなかきれいにならない厄介な代物なので、そろそろ花が開きそうかな?というタイミングになったら、しつこいくらいにようすを見たいところです。この作業をいかにスムーズに行うかが、ユリを廃棄せずに販売する花屋の腕の見せ所ともいえます。
つぼみの先がほんのり開き始めたタイミングだと、まだ花粉が粉になる前の硬い状態で、きれいに取ることができるので、気がつけたら指をつっこんでさっさと取ってしまうのがおすすめです。
ユリの切り花を長持ちさせる温度は?
ユリは温かいところで急速に、寒くなると非常にのんびりと成長します。わたしの体感だと、夏の暑い時期と真冬では2倍は持ちに差が出ますね。
長くユリを楽しみたい場合には、夏場はエアコンの効いた涼しい部屋に、エアコンの風が直接当たる場所を避けて活け、冬場は暖かい部屋でストーブのそばに置くのは避けたいところです。
ユリは水揚げするべき?
切り花の茎は、放置しておくと乾燥したり汚れが詰まったりして、水を吸い上げる力が弱くなってしまいます。水が隅々まで行き渡らないと花が成長しなかったり、咲く前に枯れてしまったりするので、定期的に茎の先を切り、新鮮な水をたくさん吸えるようにしてあげる必要があります。
あんまり何度も切りすぎると茎が短くなってしまうので、個人的には2日か3日に一度、斜めに角度をつけて切るくらいで良いと思っています。