大ぶりで華やかで、品種によっては部屋中にあまい香りの立ち込める、切り花の王様ともいえるユリ。栽培方法の影響で、バラなんかは香りのないものが増えたなか、しっかりと香りが楽しめ長持ちしやすいユリは、わたしのお気に入りでもあります。
咲くのを楽しみに部屋に飾っていても、なかなか花が咲かないことがあるんですよね。ユリの切り花が咲かない理由は主に2つに分かれます。このページでは、どうして咲かないのか?咲かないときにはどうしたらいいのか?について紹介します。
目次
切り花のユリが咲かないのはなぜ?
切り花のユリがなかなか咲かない理由は、「購入したときの状態や自宅での環境の影響で、まだつぼみが育ってなくて咲くには早い」場合と、「花まで水が行き渡ってなくて、花を咲かせる元気がない場合」があります。
どちらの状態に当てはまるのかの見分け方と、それぞれの対処方法についてまとめてみます。
ユリがまだ成長していない場合
つぼみが小さくて固いユリは、冬の寒い時期には驚くほどのんびり成長することがあります。とくに、つぼみがまだ小さいときに根から切り取られたユリの場合、最初の花が咲き始めるまでに、なんと1週間以上かかることも!
なので、もし冬場で、寒い場所にユリを飾っている場合や、ユリのつぼみが小さくて緑で固い切り花を購入した場合、たんにまだ花が咲くまで育っていない可能性があります。
ユリの成長が遅い場合の対処方法
ユリは暖かい場所だとぐんぐん成長するので、はやく花を咲かせたい場合や、ほんとうに咲くのか心配な場合には、温かい部屋に花を活けてみてください。
また、茎をなるべく短く切り、花まで水が行き届きやすいようにしてあげるのも効果があります。茎を切るときには斜めに角度をつけ、断面がなるべくたくさん水に触れるようにしてあげましょう。
水が行き渡らずに枯れてしまいそうな場合
もしくは、水が隅々まで行き渡らずにユリがあまり元気ではなく、花が咲くどころか、そのままにしておいたら咲かずに枯れてしまう場合です。葉っぱが元気ではなくぐったりしていたり、固いはずのつぼみが柔らかくなってしまっていたり、もう少しつぼみが育って色づき始めている場合には、花びらが茶色くなってしまったりします。
しかし、慌てる必要はありません!あんまりひどく枯れ始めてしまっていなければ、まだまだ元気に花を咲かせる可能性は充分にあります!
ユリが枯れそうな場合の対処方法
まずは新鮮な水が花まで行き渡るように、花瓶の水を換えます。もし花瓶のなかがにゅるにゅるしているようでしたら、きれいに洗って清潔な状態にしましょう。
水を換えたら、花を活ける前に茎を斜めに切って、断面も清潔な状態にします。汚れは茎の断面から数センチ詰まってしまうこともあるので、少し切ってみてまだ茶色っぽい場合には、新鮮な緑色になるまで短くしましょう。茎は短いほうが花まで水が届きやすくなるので、花瓶の高さと相談して、できるだけ短くすると切り花が元気になりやすいです。
茎を切るときに、空気に触れた状態ではなく、水につけた状態でハサミを入れると、断面が乾燥するのを防ぐことができるので、さらによく水を吸うようになります。いわゆる水切りですね。
また、もし葉っぱがたくさん残っているようでしたら、上のほうのものだけのこしてあとは取ってしまいましょう。 根っこのない切り花は、茎の断面からしか水を吸うことができませんが、それだとすべての花と葉っぱに充分に水を届けることができないことがあるんですね。 とくに水に浸かっている葉っぱは、傷んでどろどろしてしまい見た目も悪くなってしまいます。
茎が新鮮な水を吸いやすい状態にし、花に充分な水が届くようにすると、半日もすればしなしなしていた花が元気になるはずです。