
花が大振りなのでそれだけで豪華に見え、長持ちしやすく、品種によっては甘い香りの楽しめるユリは、わたしが切り花のなかでとくに気に入っている花です。ただ、手入れが他の花よりも重要だったり、花粉が服やカーペットにつくと落ちにくいので、神経質にならなくてはいけない花でもあります。
花が咲いたら花粉は早めに取ってしまうのがいいのですが、花粉を取るのに指で摘んで、指についた花粉が洗っても落ちない!というのもよくあること。そういう場合、手についた花粉はどうやって落とすのが手っ取り早いんでしょうか?
ユリの花粉が手について落ちない!
衣類や家具、壁などにくっついてしまうことを考えれば、洗いやすい手についたのは不幸中の幸いともいえますが、ユリの花粉はとにかく落ちにくいので、兎にも角にも付着しないように気をつけることが大切です。
職場でユリの花を扱っていますが、ユリの花の花粉を取るときには、なるべくプラスチックの使い捨てグラブをはめるようにしています。ひとつふたつ程度でそんなにたくさんではない場合には、面倒くさいので素手で取ってしまうこともありますが、そういう場合にはなるべく早く花粉のついた手を洗うようにします。
しかし一番いいのは、花が少しだけ開き始めたタイミングで、まだ花粉が固くて粉になっていない状態で取ってしまうことです。雌しべについて花が早く枯れることも、花びらに落ちて汚らしくなってしまうことも、指についてしまってなかなか落ちないことを悩む必要もなくなります。
ユリの花は開き始めたら完全に咲くまでが早く、そのあいだに花粉が粉っぽくなってしまうので、そろそろ開き始めそうかな?というころになったら、こまめに観察して、少しでも開き始めたら指をつっこんで取ってしまいましょう。
手についたユリの花粉を落とす方法
ユリの花粉は皮膚にがっちりと入りこんでしまうので、とくにたくさんの花粉に触ったあとの指を、一瞬できれいに落とすのは至難の業です。しかし何日も何日も落ちない!というわけではないので、ご安心ください。
わたしは花屋で働いているのですが、花粉のことを気にしていなかった初めのころに、ずっとグラブなしで作業をしていましたが、花粉を取り終わって手を洗っても落ちなかった花粉も、家に帰ってお風呂に入るころにはすっかり落ちていました。
皮膚からなるべく早く落とすためにできることは、やはり石鹸を使ってぬるま湯でよくこするに限ります。古くなった歯ブラシなどで花粉の付いた箇所をこするのもいいですね。スクラブ洗顔用の石鹸を使うのも効果があります。